こんにちは!今日は一日雨が降り続いていました。時々雨のやみ間があると畑のカエルがげこげこ鳴き始めます。すっかり梅雨ですね。みなさまいかがお過ごしでしょうか。さて、今日は久しぶりに、調剤薬局にくるちょっと変わった患者さんについて書いてみたいと思います。
変わった患者さんというよりも、「こだわりの強い」患者さんという方が正しいでしょうか。調剤薬局でお薬を購入する際、処方薬のメーカーを指定する患者さんがいらっしゃいます。
処方薬のメーカー指定ができるの?と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。たぶん、大抵の方は、ご自分が処方されたお薬のメーカーなんて気にされたこともないかもしれません。そもそも自分が処方されている薬の名前も朧気という方も多いのではないでしょうか。私も調剤薬局では働くまでは、薬に対して全く無関心で、お薬手帳も碌に見返しませんでした。でも、世の中は広いです。実にいろんな方がいらっしゃいます。
メーカー指定は基本中の基本?!
電化製品や、調味料などはみなさんこれだというメーカーがおありになることが普通でしょうか。マヨネーズならキューピー派、それとも味の素?でも、風邪をひいたときに薬局で抗生物質は塩野義でなんて、メーカーを指定されたことのある方はほとんどいらっしゃらないのではないでしょうか?
ジェネリックと先発品を指定する方や、解熱剤をカロナールにするか、ロキソニンにするかなど選択される方は一般的ですが、たとえばアムロジピンを日医工で、いや杏林でなどメーカー指定された経験のある方はほとんどいらっしゃらないと思います。
でも、こだわりのある患者さんにとってメーカ指定は基本中の基本だそうで、(実際にそういわれました)処方箋に付箋を貼ってひとつひとつメーカーを指定していかれる患者さんがいらっしゃいます。
難易度高め
でも、通常、調剤薬局で採用しているメーカーは1種類です。ロキソニンのジェネリックのロキソプロフェンなら、サワイ、ピタバスタチンなら杏林といった具合です。
お薬に関しては、例えば、高血圧や狭心症の治療に用いられるアムロジピン錠2.5mgは、ニプロ、日新、辰巳、武田、あすか、ダイト、オーハラなど30社以上のメーカーから発売されています。アムロジピン錠は大変メジャーなお薬ですので、これだけ多くのメーカーから販売されているのですが、ここまで多くなくてもあるお薬が複数の製薬会社から出ていることは、よくあることで決して珍しいことではありません。(カロナールやチラージンのように1社からしか出ていないお薬もありますが)
どのみち薬局が採用しているのは1社というのがスタンダードです。ご存知の通り調剤薬局は狭いスペースのところも多く、それでいて在庫しておかなくてはならないお薬の種類は小さな薬局でもゆうに1000種類は超えますので、一つのお薬のメーカー違いをたくさんそろえておくというようなことはできません。
そういうわけで、メーカーを指定されても用意できないという場合がほとんどなのです。たとえば、居酒屋さんでも、サントリー、キリン、アサヒ、サッポロ、などすべての種類のビールを置いているお店はほとんどないですよね。あっても2つくらいのメーカですよね。薬局もそんな感じと思っていただけるといいかもしれません。
それでも患者さんが、どうしても「サワイにしてください!」とか、「杏林じゃないとあわないんです」といわれるときもあります。そういうときは、そのひとのためだけにわざわざ発注するか、近くの薬局に分譲してもらいます。でも、メーカー指定の分譲はピンポイント過ぎて難易度が高めでなかなかうまくいきません。難易度がかなり高めです。
病は気からの法則
メーカーが違っても厳格な日本の薬事法に基づき製造された同じお薬ですので、効果効能は変わらないのですが、ある患者さんにとっては、メーカーが異なるとそれは全く別のお薬になるということもあるようです。私はメーカー別に薬を飲み比べた経験がありませんので、実際のところはわからないのですが、そういうふうに感じて、体もそういうふうに反応するという方もいらっしゃるのだと思います。
お薬には、科学的な作用だけではなくて、気持ちの問題も大きく作用していますので、効くと思って飲むのと、効かないと思って飲むのとではやはり、多少なりとも効果が異なってくるのではないでしょうか。
そういうわけで、うちの薬局ではできるだけ希望のメーカーをそろえるようにしています。もちろん、無理な場合も多いですが、病は気からということでできるだけ患者さんの心に寄り添えたらなあと思って働いております。でも、難易度は・・・・・・高めなんです。
今日も、ご覧いただいてありがとうございます。明日もぜひ、当ブログへお越しくださいませ一日でも早くコロナが終息しますように。