38才からの調剤事務

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暑さに耐えるのは本当に美徳か? 熱中症死亡事故について考える

 さて、一昨日から医療用麻薬のことについて書いてきましたが、先日、地方紙に癌の治療現場においても痛みを緩和させることに対してまだ引け目や負い目を感じる患者さんがたくさんいらっしゃられるという記事が掲載されていました。

 これは日本人の気質なのでしょうね。特にご年配の方は心頭滅却すれば火もまた涼しというような思想で、暑さや寒さ、痛みに我慢強く耐えることを美徳される方が多いと感じます。

 昨今、毎日のように熱中症で亡くなられる方がおりますが、その半数以上がエアコンをつけていなかったということです。高齢者の方が温度に鈍感になること、年金で暮らされている方には光熱費が重くのしかかることも、もちろんその要因ですが、そこには、暑さに耐えられずエアコンをつけるなんて根性がないという考えが根深く残っているような気がします。

 また、少し話は変わりますが日本では無痛分娩に対する偏見がまだまだ根強くあり、諸外国のように浸透していないという現状があります。

 

 これも確実に痛の痛みを避けて出産するなんて根性がない、痛みに耐えてこそ母になれるのだという思想が根底にあるのだと思います。

 ここで、改めて考えてみたいのですが、耐えることは本当に美徳なのでしょうか。

 確かに昔は、医療も発達しておらず、エアコンもなかったので、痛みや暑さに耐えなくてはいけませんでした。耐えるしか方法がなかったわけですから、耐えたわけです。根性論や精神論で耐えるしかなかった。

 今の我々は勝手に昔の人のそういう姿勢を美徳とらえているかもしれませんが、当の本人にすれば美徳という次元ではなく、そうせざるをえなかったという方が正しかったのかもしれません。

 今は医療も整い、エアコンもボタン一つで動きます。そんな状況であえて、痛みや暑さに耐えることは果たして美徳なのか。昔の人の思想がかなり美化されて、それをある意味自己満足でやっているように私は思ってしまうのです。

 もちろん、生きる上で我慢することがとても重要であることはいうまでもありませんし、戦中、戦後を生き抜いてこられた方は、それこそ根性で人生を歩んでこられた方々だと思います。それが並大抵なものでなかったことは私でも少しは想像できます。

 ただ、それらを踏まえた上で、敢えて言わしてもらうならば、命にかかわることにまで美学を貫くとなれば、もうこれは自己満足の世界になってくるんではないでしょうか。

 それでも、信念を貫いてやるという方はそれは別に何の問題もないのかもしれませんが、いかんせんそういう美学は周りにも強要されがちという現状があると思います。

 小学校のエアコン問題もしかり、日大アメフト部の問題もしかり、暑さや痛み、苦しみ、のどの渇きなどに耐えるという美徳は他者に強要されることによってパワーハラスメントに繋がっていってしまう。これこそが問題なのだと思います。

 これはたぶん、自分たちは我慢したのに楽してずるい!という妬みがこの美徳の根底にあるからではないでしょうか。自分が苦しんだのだから、おまえらも苦しんで当然じゃないかという黒い感情がそこにある気がします。

 本来、自分が苦しい思い(理不尽な理由で苦しんだならなおさら)をしたのなら、後世にはできるだけ苦しい思いをしてほしくないと思うべきではないでしょうか。

 だから、いいんです!

 暑いときはエアコンをつけて、部活をしてのどが乾いたら水分補給して、癌の痛みが強くなったら痛いとまわりに言って、鎮痛剤を処方してもらう。無痛分娩の安全性に問題がなければ無痛分娩で出産すればいい。

 必要がないのに痛みや暑さに無駄に耐えることは美徳でもなんでもなくて、むしろナンセンス、もっとはっきりいえば、もはやその人の趣味の領域だと私は思います。趣味は一人で好きにやるべきで、人に強要するものではない。心からそう思います。

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