こんにちは!今日は少しだけ、暖かい朝になりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
先日、私が勤める調剤薬局に、長年お薬を買いに来られてる患者さんのご家族がお見えになりました。ご家族さんのお話では、患者さんが最近、錠剤のお薬を飲むのが困難になってきたので、粉にできるお薬は粉砕して欲しいとのことでした。
ご高齢になると、食べ物を飲み込むこと(嚥下えんげ)が困難になってくる方が増えてきます。そういった患者さんのために、調剤薬局では錠剤のお薬を粉砕するサービスがあります。このお薬の粉砕について今日は書いてみたいと思います。
どんなお薬でも粉砕できるの?
粉砕しても効果効能がかわらないお薬は基本的に粉砕することができます。
たとえば、徐放錠や腸溶錠のように、ゆっくり溶ける・腸で溶ける等の加工がされているものは、粉砕してしまうと効果が変わってきますので、粉砕することはできません。カプセルタイプのお薬や、湿気を特別嫌うお薬なども粉砕することはできません。
どこで頼めばいいの?
嚥下が難しく、粉砕してほしいお薬がある場合は、診察の際に医師に直接伝えるか、調剤薬局で粉砕可能かどうかお尋ねください。粉砕する前に、服用されているお薬に別の形状がないか調べて、もし販売されていれば形状変更することも可能です。
お薬に関してはお医者さんよりも薬剤師さんの方が詳しいことが多いので、調剤薬局に来られてから、ご相談されてもいいと思います。
複数のお薬をまとめて粉砕できる?
粉砕しても効果効能が変わらないお薬や、特別湿気を嫌うお薬でなければ、複数のお薬をまとめて粉砕することできます。ただし、その場合は、すべてのお薬が混ざってしまうため、後から、このお薬だけ服薬をやめたいと思ってもできなくなってしまうので、注意が必要です。
料金はいくらかかる?
お薬を粉砕してもらう場合は、嚥下困難者用製剤加算という加算がつきます。処方箋1回につき80点になりますので、医療保険で3割負担の方は240円、2割負担の方は160円、1割負担の方は80円でこのサービスを受けることができます。
複数のお薬を粉砕して一包化する場合は、日数によって料金が異なる場合がありますので、詳しくは調剤薬局にお尋ねください。
粉砕は、調剤薬局で頼んでください
お薬によっては粉砕することによって吸収のスピードに変化が生じて、効き目が強くなってしまうことがあります。たとえば、徐放錠の場合、少しずつ成分が放出されるように工夫されているため、粉砕してしまうと、一気に吸収されてしまい、短時間で血中薬物濃度が高濃度になるため、副作用発現の確率が高まるとともに、薬の作用する時間が通常よりも短くなってしまう可能性があります。
粉砕していいお薬か、そうでないお薬かは自己判断せずに、調剤薬局にお尋ねください。
本日もお読みいただきありがとうございました!もしこのブログがお気に召しましたら読者登録していただけると、大変、励みになります!よろしければ読者になるのボタンから読者登録よろしくお願いいたします。明日もぜひ、当ブログへお越しくださいませ。