38才からの調剤事務

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熱中症対策の落とし穴 経口補水液の飲み過ぎは実はとても危険なんです!

 お盆もそろそろ終わりですね。帰省先ではみなさんご親戚とおいしい食事など囲まれたのでしょうか?Uターンラッシュは今日、明日がピークとのことですので、お車で移動される方はくれぐれも事故に気を付けて下さいね。

 つい家路を急ぎたくなりますが、1時間くらい運転されたらパーキングエリアでちょっと休憩する方が運転に必要な集中力が保てるそうですよ。最近はご当地のおいしい名物もたくさんありますので、観光気分でのんびり帰るのも旅のちょっとした楽しみ方かもしれませんね。

 さて、昨日は熱中症対策の救世主、経口補水液について書きましたが、実はこの経口補水液、脱水症状のないときはやみくもに飲んではいけないんです。

 

 え?こんなに水分を補給しろしろって言われているのに?熱中症対策と言えば経口補水液じゃないの?と思われますよね。

 でも、本当なんです。その理由は経口補水液の塩分量。たとえば、経口補水液の代名詞OS1には1.46gの食塩が入っているんですね。これはポカリスエットやアクエリアスなどの一般的なスポーツドリンクのおよそ2倍の量にあたります。うーん、これは水やお茶代わりにがぶ飲みしたらえらいことになりますね。

 実際、OS1の注意書きにも以下のように書かれています。

  • 医師から脱水状態時の食事療法として指示された場合に限りお飲み下さい。
  • 医師、薬剤師、看護師、管理栄養士の指導に従ってお飲み下さい。

 今や水分補給=経口補水液というイメージですが、もともと、経口補水液とは軽度から中等度の脱水状態の方の水・電解質を補給・維持するのに適した病者用食品です。

 脱水が進み点滴をしなくてはいけないけれど、なかなか点滴が難しいこどもや、その他の患者さんのために開発されたのが経口補水液というわけなんですね。

 実際、私が勤める調剤薬局でも経口補水液をまとめ買いして、1日2本くらい飲むとおっしゃられる方がいらっしゃいました。

 その患者さんは糖尿病の方で、かつ高血圧でした。ですので、薬剤師はすぐに飲むのを中止してくださいと指導しましたが、ご年配の方は熱中症を防ぐために経口補水液を毎日摂らなくてはいけないと誤解されている方も多くいらっしゃるようです。

 あと、塩分摂取にも誤解がよくあって、夏は汗を多くかくので普段より塩分を多くとらないといけないとラーメンのスープをあえて飲むようにしたり、つけものに醤油をかけて食べるという方もいらっしゃいました。

 ですが、世界的にみても日本人の塩分摂取量はかなり多いので、控えるならまだしも加えるというというのは、非常に危険な行為ですし、年齢とともに血圧は上昇しますので、あえて塩分を多量に摂取する必要は全くと言っていいほど必要がないわけです。

 ちなみに厚生労働省では、一日の塩分摂取目標量を男性8.0g未満、女性7.0g未満に設定しています。

 糖分とナトリウムイオンがあるとそれに引っ張られる形で腸管内に水分が吸収されますので、糖分と塩分と水分を同時に接種することは大量に汗をかいたときや、脱水時には有効ですが、普通に汗をかいたときにはそれほど塩分は排出されませんので、普段の水分補給の際はただの水やカフェインを含まない麦茶などで十分事足りるというわけです。

 そういうわけですので、経口補水液はあくまで脱水になったときに飲む点滴のようなものという認識で、ふだんは麦茶や水でこまめな水分補給で脱水を防ぐことがじゅうようですね。

 もし、みなさまの近くに経口補水液を毎日水代わりに飲んでおられる方がおられたら、注意してあげてくださいね。

 とくに、おじいちゃんやおばあちゃんは、病院のお医者さんに言われたからきちんと飲まなくてはいけないと律儀に守られている場合がありますので、病院の点滴のようなものだから、ひどい脱水の時だけで大丈夫だよ。普段はお水やお茶で大丈夫だよと教えてあげてくださいね。

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