今日、大阪は朝から久しぶりに曇り空。おかげで最高気温も32度と夏らしく過ごせるものになっています。台風が近づいているせいというのもありますが、ここのところの気候は異常でしたものね。
これが普通の夏の暑さなのでしょう。野菜や木々、動物やもちろん私たち人間にとってももうあの酷暑は勘弁してほしいものです。
さて、先日、在宅の患者さんのところから帰ってこられたケアマネージャーさんが、こんな話をされていました。
「部屋に入った瞬間、サウナ状態でした。でも、本人さんはけろっとした表情をして今日はまだ涼しいじゃないって」
テレビでも連日、ご高齢の方とエアコンの問題について報道されていますが、ケアマネさんや、薬剤師さんに聞いても、みなさん頭を悩まさせているとおっしゃっておられました。
いくらサウナのような状態だと他人が伝えたところで、当の本人が暑さを感じていないのならば、エアコンを無理やりつけることはとても難しいことです。例えるなら、お腹が空いていない人に無理やり食事を取らせるようなものかもしれません。
でも、実際は空腹で今すぐにでもご飯を食べなければ、命の危険が迫っている状態。
いってみればこの患者さんは加齢などによって体の中のセンサーが鈍くなってしまい、自分の体を守ることができなくなってしまった状態なのだと思います。
昔はこういう状態になると人は自然に寿命を迎えていたのかもしれませんが、現代の社会ではそういうわけでもないから、ケアする立場の方々が頭を悩ませる事態になってしまうんでしょうね。
温度計や湿度計などで客観的に暑さを理解してもらおうとしても、体感温度の方がきっと重視されてしまうでしょうしね。だって、暑くないわけですから。
私の祖母も生涯エアコンのない部屋で生活していました。祖母は認知症などの疑いはなく、亡くなるまで頭も体もしっかりしていましたが、エアコンはやはり嫌いでした。極度の冷え性ということもありましたが、夏の暑さにやられて半日、横になっている日でも、エアコンはいいわと拒んでいました。
私のような30~40代はエアコンがもはや生活必需品となっていますので、高齢になってもそこまでエアコンに対する拒否反応はないと思いますが、今の70~80代の高齢の方々の大半は人生の半分以上エアコンのなしの生活を送ってこられたわけですから、エアコンへの拒否反応があって当然かもしれません。
ここはケアする側が真剣に知恵を出し合うしかないのかもしれない。たとえば、パソコンや携帯電話に苦手意識のあった50代以上の方々を見事に取り込んだ、ドコモのらくらくフォンのように、ご高齢者専用のエアコンみたいなのがあってもいいのかもしれません。最近、大阪のベンチャー企業が発表した「バケツエアコン」みたいなものも、ご高齢の方には馴染みやすいかもしれませんね。
とにもかくにも、サウナ状態の患者さんのお宅に伺ってケアするケアマネさんや薬剤師さんには本当に頭が下がります。患者のお家で勝手にエアコンをつけるわけにもいきませんから、暑くても我慢しなければいけませんものね。くれぐれも熱中症には気を付けて下さい。
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